オカンイズバック!

母が月曜から入院している。長年患っていた病気の手術のため。


下肢静脈瘤』と言うらしい。足の血管がボコボコ表面に浮き出てくる病気で、母は私を出産した後に発症し、30年以上もそれと付き合ってきた。この夏知り合いの医師(こないだの東京ツアーで皆を仕切ってくれたとっても頼もしいネーサン)に『まぁ、放っておいても大丈夫だけど、年取って歩けなくなったりするのも辛いから今のうちに切っておいた方がいいかもね〜。死んだりする事も稀にあるらしいし。』と脅され、手術を決意したのだ。
そのネーサンが『○○病院の○○先生ならそのくらいの手術できると思う。』と言ったので、当初市内まで行って手術を受ける予定が、自宅からめちゃ近い○○病院で手術を受ける事になった。
ネットで調べると日帰り手術もできるみたいで、足だし、内蔵じゃないし、めちゃ簡単な手術だと思ってたんだけど、手術の前日にいざ主治医の先生から説明を受けてみたら、全身麻酔で手術の時間は3時間くらいかかると言う。ボコボコしてるのはふくらはぎだけど、足の付け根を切ってそこから細いワイヤーを足首まで入れて、ボコボコ血管を結んで引きちぎって引っ張り上げて、取り出すというもの。しかも両足。その方法に『えーーー!なんて残酷な。』と思いながらも『そんなに大変な手術じゃないから、立会わなくても大丈夫ですよ。運良く別の手術で血管の専門医が別の病院から来てて、彼にも立会ってもらうので安心して下さい。』と先生に言われたのでちょっと安心した。
とは言うものの、いざ『承諾書』なるものにサインをしたりするとその文面の仰々しさに改めて怖くなる(当の本人はそれ以上に怖かったと思うけど)。『仕事があるから手術には立会えないけど、先生も立会わなくていいって言ったし、明日手術が終わった頃にまた来るから頑張ってねー!』と母に言って病院を後にした。
とてもプライベートな事だけど、一応上司に報告しといた方がいいか、と思ってボスに報告。そしたら、手術が始まる前に1度病院に行ってお母さんに顔を見せてあげなさい。仕事も早めに切り上げて、終わったらすぐに病院に行きなさい、と言ってくれたので、お言葉に甘えてそうさせて貰った。
病院に向かう途中、一緒に行ってくれる伯母を車で迎えに行った時に、いつもつけているブレスレットのチェーンが突然切れてしまって動揺。なんでこのタイミングで切れるの?病院に着いた時は母はまだ手術室の中。『無事に終わりますように!』ドキドキしながら母の帰りを待つ。
手術室に入って約4時間後に病室に戻って来た母は、まだ麻酔が覚めきらない様子でぼんやりしていて、私は『お母さん、頑張ったね!』という言葉をかける事すらできずに涙が溢れてきて『あー、よかったぁ。』って。
それから1時間ほどで母の意識はしっかり戻ってきて、大きな声で『足が痛いー!』って言ってました。心配して駆け付けてくれた親戚や友人に『そりゃ痛かろう、切っとるけんね。』と突っ込まれながら(笑)。
手術したのは昨日。今朝病室を覗いたら、ベッドの上に起き上がって元気にしてた(ホッ)。お昼には点滴も外れて、普通に病院食を食べてました。両足とも包帯でぐるぐる巻きでまさにミイラ状態。スタスタ歩けるようになるまではもう少しかかりそうだけど、うちのオカンなら大丈夫そうだ。


どうでもいい話だけど、そこの病院のナースコールはディズニーの『a whole new world』だった。『美女と野獣』のテーマソングかと思ってさっきググったら『アラジン』だったよ。